特別抗告について

検察官による勾留請求を裁判官が認めたことに不服があるときは、準抗告を申し立てると、認めた裁判官とは別の裁判官3名が再審査をしてくれます

元々の裁判官による判断に問題はなかったとされた場合は、通常のルートとしては、さらに材料を揃えたうえで、勾留取消を狙うか、延長時における準抗告を狙うかになります

しかし、どうしても納得できない場合には、準抗告の3名による判断について、最高裁に特別抗告をする方法があります

ただし、起訴前の勾留の裁判に対する準抗告申立の利益は、起訴後は失われるとされているので(最決昭和59年11月20日)、準抗告での判断にどれだけ問題があっても、その後起訴されてしまったら、特別抗告は棄却されることになります

そもそも「特別」という名前がついているのは、もはや通常のルートでは認められない超例外的措置だからですので、これが通るのはラクダが針の穴を通るより難しいことであって、通常は脊髄反射的な門前払いで終わります

たとえば、自分が最近申し立てたときのタイムスケジュールを示します

令和4年6月24日(金)申立て→6月29日(水)棄却

令和4年8月25日(木)申立て→8月30日(火)棄却

令和5年2月24日(金)申立て→2月28日(火)棄却

令和5年6月30日(金)申立て→7月4日(火)棄却

令和5年9月11日(月)申立て→9月13日(水)棄却

コロナの影響なのか、令和4年は4営業日かかっていますが、令和5年は3営業日しかかからずにスピード棄却です

なお、棄却を知らせるのは普通郵便なので、手元に配達されてくるのは棄却されてから2日くらい後です

 

さて、このたび令和5年12月12日(火)に特別抗告を申し立てていたわけですが、最高裁からのお返事が12月20日(水)になっても手元に配達されませんでした

これは何かあると楽しみにしていたのですが、それと同時に、特別抗告の申立てをした翌日の12月13日に、検察官に直接かけあって満期前に釈放してもらっていたので、「法律上の利益が認められなくなった」と判断されるかもしれないとも思っていました

すると、本日最高裁から回答が届き、やはり釈放された現時点では法律上の利益を欠くという理由により12月19日(火)付で棄却でした

もっとも、職権で調査に入ったと記載されていましたので、やはり今回はこれまでの脊髄反射的な棄却とは訳が違いました

最高裁も私の申立書をみて、第一印象で問題を感じてくれたのでしょう

残念ながら手続法的な制約でその先に進むことはできませんでしたが、最高裁が職権で調査に乗り出したことには重みがあります

今回の決定書は、今後の準抗告等の申立てで活用させていただきますし、どうせ特別抗告もバンバン申し立てていくことになるのでしょうから、そこでも参考にしていきたいと思います

ページの先頭へ
menu