2024年の刑事弁護総括

2024年は、年初から本日まで、捜査からの担当が19件(捜査弁護と公判弁護にまたがる場合は1件とカウント)、公判からの担当が3件でした

捜査弁護の19件のうち、14件については、早期釈放を実現しました

早期釈放率は約73.7%になります(私が担当した被疑者・被告人は4人に3人近くが早期釈放されるということです)

今年の早期釈放は次のとおり

勾留請求阻止5件(検察官がそもそも勾留請求を控えた)

勾留請求却下4件(検察官からの勾留請求を裁判官が却下した)

勾留決定への準抗告認容3件(いったん認められた勾留を満期前に解消した)

保釈1件(起訴された後に釈放させた)

満期前における検察官による任意の釈放2件(裁判所を利用しないで検察官に直接お願いをした)

満期まで勾留されてしまったのは6件です(うち1件については上記の保釈で早期釈放されました)

ただし、満期まで勾留された6件のうち4件は、黙秘・署名拒否によって不起訴に持ち込みました

勾留却下を求めたのは5件なので、4勝1敗で認められた割合は80%

令和5年の司法統計によると、勾留請求が却下されたのは9万2432件のうち5355件(約5.793%)ですが、この9万2432件には殺人とか強盗とか100%勾留請求が認められるとわかっているために、そもそも弁護人が勾留請求却下を求めていないような事件も含まれているので、弁護人がある程度の見込みを持って却下を求めた事件における却下の割合は約5.793%よりもずっと高いでしょう

とはいえ、この80%という数字は我ながら見事だと思います

勾留について準抗告を申し立てたのは7件なので、3勝4敗で認容率は約42.86%

正直言って絶対無理とわかっている準抗告もいくつかはあえて申し立てていたので、負け越しは当然の数字でしょう

とはいえ、令和5年の司法統計によると準抗告が認容されたのは1万5063件のうち2744件(約16.455%) ですので、全国統計に比べたら十分にスーパーな数字を残すことができています

ちなみに、特別抗告は6戦全敗

これはラクダが針の穴を通る方が簡単なくらいの手続なので当然の結果ですが、そのうちの1件はかなり手応えを感じていたので残念でした

6件目の棄却がつい先日届いたときの事件番号が第932号でしたので、全国レベルでだいたい150件に1件が私の申立ということになります

来年も早期釈放を実現できるように頑張ります

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