求令状起訴に対する保釈請求について
被疑者が勾留された状態で起訴されると、勾留が自動的に継続されて、弁護人も被疑者国選弁護人から被告人国選弁護人に移行します
しかし、被疑者国選弁護人は勾留を前提としており、被疑者が釈放されるとその時点で弁護人ではなくなります(私選弁護人の場合には、その事態は生じません)
そこで、やっかいになるのが、A罪で逮捕・勾留されていたがその満期に処分保留で釈放となり、即日B罪で逮捕・勾留となった場合です
A罪について被疑者国選弁護人になっていても、処分保留で釈放された時点で弁護人ではなくなります
B罪で勾留された被疑者の国選弁護人に就任しても、A罪については法的には弁護人の存在しない状態での在宅事件と同じ扱いになっているのです
そこで、B罪の満期において、検察官が保留していたA罪も併せて起訴をするときには、裁判所に対して、A罪について被告人としての勾留を求める「求令状起訴」という手法をとることになります
刑事事件は、事件単位の原則が採られていて、各事件ごとに手続が存在しています
起訴がされると保釈を請求することができるようになるのですが、国選弁護人はB罪のみの弁護人になっていますので、そのままではA罪については保釈請求をすることができません
B罪について保釈が認められても、A罪の勾留を解除できない以上は、身柄拘束が継続してしまいます
そこで、裁判所から改めてA罪について被告人国選弁護人に選任してもらう必要が生じ、その場合には、法テラスに対して、事前に「国選弁護人の選任に関する要望書」を提出しておくことになります